こんにちは!らいてうです。
今回は、「ステラーブレイド(Stellar Blade)」のレビュー記事になります。
レビュー執筆時点でのプレイ時間は40時間程度で、本編クリア済み、トロコン済みです。
キャラの見た目が話題になりがちな本作ですが、私はアクションゲームが好きなので、本記事では「アクションゲームとしてどうなのか」をメインにレビューしていきます。
製品情報
タイトル | Stellar Blade |
発売日 | 2024年4月26日 |
対応機種 | PlayStation 5 |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
プレイ人数 | 1人 |
CERO | D(17才以上対象) |
公式サイトはこちら。
戦闘について
爽快感があり、ゴリ押しもある程度きく
本作の戦闘はスタイリッシュなSEKIROといった感じで、タイミング良くガードすると発生する「ジャストパリィ」がメインになります。
さらに、通常攻撃とは別に、ベータエネルギーやバーストエネルギーを消費して発動する「ベータスキル」や「バーストスキル」を駆使して戦うことになります。
ジャストパリィ成功時の「ガキン!」の音が気持ちよく、連撃を捌く爽快感は随一です。
また、ベータスキルとバーストスキルが強力なので、これらのゲージを溜めてからボス戦に挑めば、ジャストパリィが苦手な人でもである程度ゴリ押しで突破できます。
さらに、本作にはデスペナルティがないので、死亡してしまっても気軽にリトライできます。
ガードが出るのが遅い
タイミング良くガードボタンを押す必要があるゲームでは、ガードボタン連打によるジャスト成立を防止するためか、ボタンを押した瞬間ではなく押して少ししてからジャスト判定を出すことが多いです。
仁王シリーズやSEKIROは確かこの仕様だったと思います。
逆に、ウォーロンの化勁やライズオブローニンの石火等、連打ができないようなものは入力直後から判定が出る印象です。
本作は、(恐らく)ガード判定が出た直後からジャストパリィ判定になりますが、ガードボタンを入力してから実際にガード判定となるまでに少々時間がかかる仕様となっています。
これにより、敵の攻撃が当たる直前にガードボタンを入力してもガードが間に合わず、被弾判定になってしまいます。
このガードの仕様は少々シビアすぎるのではないかという印象を受けました。
ジャストパリィを積極的に狙っていくためにも、通常ガードはもっと使いやすくしてほしかったなと思います。
戦闘システム自体は良いが、調整がイマイチ
総じて良く出来ているとは思いますが、細かなバランス調整が上手くいっていない印象を受けました。
まずベータスキル、バーストスキルが強すぎます。
一部のスキルはヒット時に敵を強制ダウンさせることができるので、スキルでダウン➡少し通常攻撃➡再度スキルでダウンでほぼ何もさせずに倒せたりします。
敵の攻撃パターンを覚える必要すらないということですね。
また、敵には「バランスゲージ」があり、これはジャストパリィや一部のスキルで削ることができます。
削り切ることで敵にやや大きめのダメージを与えることができますが、バランスゲージを削り切るのは結構大変です。
そして頑張って削り切った割にはそこまで大きなダメージを与えられる訳でもないので、バランスゲージを削る旨味が少ないです。
上述のガードの仕様も相まって、ジャストパリィしながら通常攻撃主体で戦うのはなかなかきつい調整となっています。
個人的には、ジャストパリィをガキンガキン決めながらひたすら殴り合うのが好きなので、スキルでゴリ押しが最適解なのはちょっと残念かな思ってしまいます。
また、敵の攻撃の種類として、オーラを伴うガード不可の攻撃がいくつかあります。
青・ピンク・黄色のオーラがあり、青オーラ攻撃は前ステップ、ピンクオーラ攻撃は後ろステップを入力することで特別な回避が発動し、逆にこちらの攻撃チャンスとなります。
しかし、黄色オーラ攻撃は特別な回避方法がなく、単にジャスト回避で避けることになります。
ガード不可のため危険も大きく、回避成功時のこちらのリターンも特にないため、敵からしたら「出し得」です。
私は、アクションゲームにおける「出し得技」は、こちらが出すにせよ相手が出すにせよない方がいいと思っています。
黄色オーラ攻撃は被弾するたびに理不尽さを感じ、回避成功してもあまり気持ちよさを感じられなかったです。
演出が少々くどい
バランスゲージを削りきった際や奇襲攻撃の際は、カッコいいモーションの特別な攻撃が出ます(いわゆる「致命の一撃」)。
カッコいいのはいいんですが、演出が長すぎて見るのがだるいです。
ボス戦ならまだ許せるのですが、ザコ戦でもいちいちこれを見せられるのは面倒なので、次回作があるのであれば改善してほしいところです。
探索について
探索要素は結構多め
本作は、マップが見られる広めのフィールドが2つと、マップが見られないダンジョンのようなエリアが複数存在します。
マップが見られないところに関しては、基本的には一本道+αといった感じで、寄り道要素はそこまで多くないです。これについては体験版をプレイすればなんとなく分かると思います。
しかし、マップが見られるフィールドの方は結構広く、隅々まで探索するのは大変です。
マップに表示されるのは、訪れたファストトラベルポイントやクエスト発生場所、クエスト目的場所くらいです。
なので、フィールドに数多く配置されているアイテムについては、広大なエリアを自ら歩いて探さなければなりません。
まあ探索というのがそもそもそういうものなのかもしれませんが、探索面倒臭い勢の私からするとなかなかきつい仕様でした。
探索ポイントを全てマップに表示しておいてくれとは言いませんが、スキャンしたらマップにも表示される等の優しさがあったら嬉しかったです。
アスレチックが多く面倒
主人公の軽快な動きを見せたいからなのか、アスレチックが多いです。
壁の出っ張りを掴んで移動したり、細い棒を掴んで渡っていったりといった場所が多数登場しますが、正直面倒です。
全て簡単ならまだいいのですが、少々難しいものもあります。
やりたくなければやらなくて良いようなものでもないため、途中からはもう勘弁してくれと思ってしまいました。
ファストトラベルが不便
ファストトラベルポイントは多めですが、エリアを跨いだファストトラベルができません。
最初は「エイドス7」というエリアから始まり、そこをクリアすると「ザイオン」という街に行けるようになります。
ザイオン内のファストトラベルやエイドス7内のファストトラベルでは特に問題はないのですが、例えばザイオンからエイドス7に行く場合、
- ザイオンにあるシップ近くへファストトラベル
- シップに乗ってエイドス7へ
- エイドス7初期地点から他の地点へファストトラベル
という手順を踏まなければなりません。これはエイドス7からザイオンに行く場合も同じです。
いちいち面倒なので、ファストトラベル画面でマップ切替できるようにしておいてほしかったです。
また、ファストトラベルポイントは多めではあるのですが、場所がイマイチです。
ザイオンにはクエスト掲示板があり、ある程度頻繁に寄ることになります。しかし掲示板付近にはファストトラベルポイントがないので、少し離れたところからわざわざ走って向かわなければなりません。
本作には多数のクエストが存在するため、ファストトラベルを利用する場面も多いです。しかしその度に小さなストレスが積もっていくというのは、せっかちな私には少々辛かったです。
その他
BGMが良い!
本作は全体を通して雰囲気が良いと感じましたが、BGMの良さによるところが大きいと思っています。
女性ボーカルが入っている曲が多く、耳に残るものが多いです。
曲のイメージとしてはニーアシリーズが近いかもしれません。
「荒廃した地球を探索する」といった点もニーアオートマタと近いものがあるので、ニーアシリーズ、特にオートマタの雰囲気が好きな方にはおすすめです。
会話送りで謎のストレス
私は「字幕を読んだらボイスは飛ばす派」です。
本作の会話シーンも、セリフを全て聞かなくてもボタンを押すことで次の話を聞けます。
が、キャラが話し始めてから1~2秒程?経たないとセリフを飛ばすことができないため、サクサクと話を読んでいくことができません。
これは恐らくですが、「次の話が始まった瞬間に偶然ボタンを押してしまう」ことによって起きる、聞いていない話がスキップされてしまう事象を避けるためなのかなと思いました。
しかし、それにしてもウェイトが長すぎてストレスです。
バックログ機能を付けてくれればこの問題は解決するので、アップデートや次回作で改善してくれると嬉しいですね。
スキップできる/できないの基準が謎
会話シーンが結構ありますが、スキップできるものとできないものがあり、その基準が謎です。
スキップできないシーンはボタン連打で会話を読み飛ばすしかないのですが、前述の会話送りの長すぎるウェイトも相まって非常にストレスが溜まります。
また、ボスと再戦する度に流れるムービーにすらスキップできないものが混じっている(ほとんどはスキップできますが)点も非常に面倒です。
本作がアクションゲームであること、本編クリアでNew Game+ができること、エンディングが3種類あることから、周回プレイを想定しているはずだとは思いますが、スキップできないシーンが多いと周回意欲が削がれてしまいます。
まとめ
ここまで特に言及してこなかったですが、グラフィックは非常に綺麗で、フレームレートも安定していました。
キャラも魅力的で、作品全体の雰囲気やBGMもとても良かったです。
総じて良く出来ているとは思いますが、戦闘のバランス調整はもう少し詰めてほしかったなと思います。
また、戦闘以外で細かなマイナスポイントもありましたが、1周目ではそこまで気にならなかったです。
逆に言うと、2周目あたりから面倒だなと思う部分が増えてきました。アスレチックや会話のスキップなどですね。
そういった点から、個人的には何周もするようなゲームではないと感じてしまいましたが、2周目ぐらいまではとても楽しめました。
万人におすすめできる良作かと思います。
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