こんにちは!らいてうです。
今回は、「聖剣伝説 VISIONS of MANA」のレビュー記事になります。
プレイしたのはPS5版です。レビュー執筆時点でのプレイ時間は40時間程度で、本編クリア済み、トロフィーは43/45です。
本作は体験版が配信されています。
私も製品版購入前にプレイしたのですが、体験版の評価は正直今一つといったところでした。
ですが、製品版は想像していた以上に面白く、そこは嬉しい誤算となりました。
できることが増えてくると面白くなってくるタイプのゲームなので、ゲームの序盤をプレイすることになる体験版では、本作の良さを伝えきれなかったのかもしれません。
なので、本作が気になっているなら、あえて体験版をやらずにプレイしてみるのも良いと思います。
製品情報
タイトル | 聖剣伝説 VISIONS of MANA |
発売日 | 2024年8月29日(Steam以外) 2024年8月30日(Steam) |
対応機種 | PlayStation 5 / PlayStation 4 / Xbox Series X|S / Windows / Steam |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | 1人 |
CERO | B(12才以上対象) |
公式サイトはこちら。
良かった点
幅広いカスタマイズ性
本作は5人の仲間キャラから3人を選んで戦闘を行います。
それぞれのキャラには8種の「クラス」があり、対応する「精霊器」を装備することでクラスチェンジができます。
クラスによって武器や立ち回りが変わるので、さまざまな遊び方が楽しめます。
さらに、本作ではどのキャラにも同じだけ経験値が入るので、全員が常に同じレベルになっています。これにより色々なキャラを触りやすくなっている点も良かったです。
また、ラスボス撃破後には、初期クラス(精霊器を何も装備していない状態)をある程度自由にカスタマイズできるようになります。
これにより、最終的には初期クラスが最強になるのですが、このカスタマイズも自由度が高く面白かったです。
軽快なバトル
アクションゲームの中では軽快に動ける方かなと思います。
ダッシュも速く、標準で二段ジャンプが可能です。さらに、地上・空中問わず連続で回避できます。スタミナなどによる行動の制約もないため、総じて戦闘では気持ちよく動けると思います。
雑魚敵やボス敵の強さも難易度ノーマルならそこまでではないので、サクサクと進んでいけるでしょう。
また、「武器攻撃だけでなく精霊器を使って戦う」のは本作の大きな特徴かと思います。精霊器はクールタイム制となっており、使用時はいずれも強力な効果を発揮します。武器による攻撃を敵に当てることで精霊器のクールタイムを短縮できるので、武器で攻撃する意味もしっかりあります。
戦闘中の特技(アクティブスキル)はMPを消費して使用しますが、このMPも精霊器を積極的に使用することで十分に回復できます。これにより、この手のゲームでよくある「道中のザコ戦ではMPを温存しがちになってしまう」という問題が解消されているのは良かったです。まあ逆にちょっと回復しすぎな気もしますが、窮屈な思いをするよりはずっと良いと思います。
綺麗なグラフィック
聖剣伝説シリーズは初プレイなのですが、この「温かみのあるグラフィック」はシリーズ伝統だそうで、そこは非常に良かったです。
キャラも全体的にかわいらしくデザインされています。
アニメ調のグラフィックなので、風景の美しさなどはそこそこといったところなのですが、フォトリアルな綺麗さとはまた違った良さを感じられるグラフィックでした。
その他細かい評価点
以下、細かいですが良かった点を箇条書きにします。
- カリナがかわいい
- 探索すべきポイントがほぼマップに表示されている
- レベルアップで全回復する
- 難易度がいつでも変えられる
- メインキャラに鬱陶しいキャラがいない
- ボリュームが程よい(しっかり寄り道して本編クリアで35時間程度)
- カリナがかわいい
残念だった点
強くてニューゲームが機能していない
個人的にこれが最も不満だった点です。
クリアすると強くてニューゲームが解放されると同時に、最高難易度の「ベリーハード」が遊べるようになります。
既存の難易度(ベリーイージー〜ハード)で強くてニューゲームを始めたところで、敵が弱すぎて面白くありません。なので、それを回避するための難易度がベリーハードなんだ、と私は思ったんですね。
しかし、いざベリーハードで強くてニューゲームしてみると、序盤の敵は相変わらず弱いままなのです。
どうやら、ベリーハードはハード同様、敵の強さに一定の倍率がかかるだけのようなのです。多少倍率がかかったとしても、終盤の敵以外はこちらのレベルに全くついてこれていないんですね。
よって2周目は、最終盤に至るまではどうあがいてもヌルゲーになってしまいます。非常に味気ない戦闘をひたすら繰り返して、序盤と中盤を頑張って抜けなければならない、ということになってしまうわけです。
これ2周目をやらせる気があるのでしょうか?強くてニューゲームの実装方法が雑すぎませんか?
「2周目の敵の強さを調整する」というのは、昨今のゲームでは当たり前なのかと思っていました。せっかく初期クラスをカスタマイズして色々遊べるかと思っていたのに、とても残念な思いでした。
ちなみに、ラスボスを倒した後に追加ボスと戦えるようになるのですが、「追加ボスをハードで倒す」というトロフィーがあります。
しかし追加ボスは一度倒すと復活しません。私はうっかりノーマルで倒してしまったのですが、まあ強くてニューゲームがあるならもう一周すればいいかと思っていました。
そこで立ちはだかったのがこの強くてニューゲームの仕様です。私はそっとトロコンを諦めました。
サイドクエストが多すぎる
街やフィールドにいるNPCからサイドクエストを受注できますが、このサイドクエストがつまらない上に多すぎると感じました。
サイドクエストの内容はほぼおつかいで、「〇〇と話す」や「××をn体倒す」、「△△を拾ってくる」といったものがほとんどです。報酬に関しても、大抵の場合大したものは得られません。
後述の面倒なファストトラベル仕様と相まって、なかなかの苦行となります。
正直に言ってしまうと、本作のサイドクエストのほとんどは単純な水増し要素だと思うんですよね。
世界観やキャラの掘り下げに関するものならいいのですが、それ以外のどうでもいいものが多すぎます。
FF7リバースの時も感じましたが、スクエニはボリューム不足を指摘されるのを恐れ過ぎなのではないでしょうか。
現代人は皆忙しいです。娯楽が溢れる現代において、つまらない要素に時間を割く意味はありません。もっと面白いものをやればいいからです。
空虚で長いプレイ時間よりも、濃密な体験を提供してほしいところです。
移動が少々ストレス
序盤で「ピックル」という大きな犬?狼?のような生き物に乗れるようになります。
ピックルは移動速度こそ速いのですが、呼び出す際にいちいちベルを鳴らさなければならないため、そこで時間がかかってしまいストレスが溜まります。
また、戦闘したい場合はピックルから降りなければなりません。探索しながら戦闘もしたい場合は、いちいちピックルに乗らない方がいい場面さえあります。
さらに、本作はマップ画面からいつでもファストトラベルができるのですが、何故か同じ大陸内にしか飛べません。
中盤から海を、終盤から空を移動できるようになるのですが、いちいちこれらを利用して大陸を移動してからファストトラベルをする必要があります。
海や空を移動する乗り物を呼ぶときも、ピックル同様少し時間がかかります。もっと言うと、ロードを挟む分ピックルより遅いです。
正直これもプレイ時間の水増し要素なのかなと思ってしまいました。
サボテン探しが辛い
本作では、収集要素として「サボテン集め」があります。一定数集めるごとに様々な報酬が貰えるというオーソドックスなものですね。このサボテンはマップに表示されないので、頑張って自分で探す必要があります。
サボテンは全部で30ヶ所以上の場所にいるのですが、このサボテン集めがなかなか大変です。
サボテンは特有の音を発しており、サボテンに近付くほど音が大きく聞こえます。それをヒントに探すことになるのですが、この音がちょっと控えめなんですよね。
マップに表示してくれとは言わないので、もう少し音を大きくするか、他のヒントも欲しかったところです。
その他細かい不満点
以下、細かい不満点です。
- たまにフレームレートが落ちる
- 戦闘中、ロックオン対象へのカメラ追従が遅い
- 味方がやられがち
- 宝箱を開けるのがジャンプボタンなのがやり辛い
- チェックポイントがなく、全滅時はロードからになる
まとめ
本作はアクション戦闘ですが、シビアなバランスではないので、どんな人でも楽しくプレイできると思います。難易度もいつでも変えられます。
逆に、歯ごたえのあるバトルが好きな方や、やり込みが好きな方にはあまりおすすめできないかもしれません。
不満点もそこそこ書いてしまいましたが、良いところも多く、全体的に丁寧に作ってあると思います。
私は聖剣伝説シリーズは初プレイでしたが、とても楽しくプレイできました。次回作にも期待しています。
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