こんにちは!らいてうです。
今回は、「ウォーロン(Wo Long: Fallen Dynasty)」のレビュー記事になります。
筆者がプレイしたのはPS5版です。
レビュー執筆時点でのプレイ時間は150時間程度で、トロコン済みです。
また、DLCは第一弾〜第三弾までプレイしたので、DLC込みのレビューになります。
製品情報
タイトル | Wo Long: Fallen Dynasty |
発売日 | 2023年3月3日 |
対応機種 | PlayStation 5 / PlayStation 4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Xbox Game Pass / Steam / Microsoft Store |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | オフライン1人 オンライン1人〜3人 |
CERO | D(17歳以上対象) |
上記は本編のみです。
2024年2月7日に、本編+有料DLC三部作の完全版が発売されます。
こちらはダウンロード専売です。
タイトル | Wo Long: Fallen Dynasty Complete Edition |
発売日 | 2024年2月7日 |
対応機種 | PlayStation 5 / PlayStation 4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Steam / Microsoft Store |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | オフライン1人 オンライン1人〜3人 |
CERO | D(17歳以上対象) |
備考 | 本編+有料DLC三部作の完全版 ダウンロード専売 |
公式サイトはこちら。
仁王とSEKIROの中間のような作品
本作の戦闘は、複雑だった仁王シリーズのシステムをマイルドにして、かつSEKIROの弾きを取り入れたような仕上がりになっています。
操作感は仁王シリーズと大差ないですが、上・中・下段の構えや残心等、複雑な要素は排除され、敵の動きをよく見て化勁(ジャスト回避のようなもの)を取っていく爽快感に重きを置いているような印象です。
仁王シリーズの忙しい操作が好きだった人は多少がっかりするもしれませんが、配信者等の仁王シリーズのプレイ動画を見る限り、恐らくほとんどの人がそこまで複雑な操作を駆使して戦っていなかったので、落とし所としてはまあ妥当なのかなと思いました。
また、仁王シリーズの特徴であったトレハン要素も、本作ではマイルドになっています。
仁王シリーズでは異なるセット効果をほぼ2つ分発動することができましたが、本作では1つ分+αといったところです。
異なるセット効果を組み合わせたりしないので、ビルドの選択肢はあまり多くなく、効果も比較的控えめです。
色々なビルドで色々な遊び方がしたいような方からすると物足りないかもしれませんが、戦闘バランスの緻密さとビルドの幅広さはある程度トレードオフになる部分だと思うので、こちらも落とし所としてはまあこんなものなのかなと思います。
総じて、ボリュームや遊び方の幅広さ、難易度調整の緻密さについては、SEKIROと仁王の中間ぐらいかなといった印象です。
化勁が気持ちいい!
本作では、敵の全ての攻撃を化勁(ジャスト回避のようなもの)できます。
化勁を成功させるとノーダメージになるのに加え、敵の氣勢(スタミナのようなもの)を減少させ自分の氣勢は増加します。
また、気持ちの良い効果音がなります(重要)。
基本的に本作では、敵の全ての攻撃に対して化勁を狙っていくことになりますが、ジャストガードやジャスト回避が好きな私からすれば、化勁を取っているだけで爽快でした。
アクションゲームにおいては、長い乱舞攻撃などは攻撃が終わるまで回避し続けるだけになるため、嫌われがちになるかと思います。しかし、本作は攻防一体の化勁により敵の攻撃を捌けるので、乱舞攻撃の理不尽感があまりなく、むしろ大量に化勁できるチャンスとさえ思えます。
敵の攻撃パターンの理不尽感
他のアクションゲーム同様、敵の一連の攻撃を全て捌いてから反撃していくのですが、連撃が終わったのかどうかが分かりにくく、気持ちよく反撃できないような敵がいます。
例えば、
- ①「攻撃A➡攻撃B➡攻撃C」
- ②「攻撃A➡攻撃B➡攻撃C➡攻撃D」
- ③「攻撃A➡攻撃B➡攻撃C➡攻撃D➡攻撃E」
という3つの連撃パターンがあったとします。
攻撃Eが来たら確定で反撃できますが、攻撃CやDは「この後に連撃が続くのでは?」と警戒しなければならないため、無闇に反撃できません。
結果、①や②のパターンでは、反撃できたはずの敵の後隙を棒立ちで見守る空虚な時間が発生することになります。
また敵は、通常攻撃とは別に、赤いオーラを伴う「秘技」を放ってきます。
秘技は高威力かつガード不能で、秘技発動中の敵はのけぞり無効となっていますが、秘技に対して化勁を成功させることで大きなリターンを得ることができます。
しかし、こちらの攻撃中に唐突に秘技で割り込んでくることがあり、非常にストレスです。
攻撃を化勁でキャンセルすることは出来ないので、出の早い秘技で割り込まれるとどうしても化勁が間に合いません。
秘技の種類も一つではないため、組み合わせによっては対応が非常に難しい場面もあります。
例として、以下2つの秘技を持つ敵がいるとします。
- ①出が非常に早い秘技
- ②出がそこそこ早い秘技
①は赤いオーラを確認したらすぐに化勁しないと間に合わないので、①に対応するためには早めに化勁することになりますが、そうすると②を出されたときに対応できません。
かと言って、②に合わせようとしていると、①を出されたときに対応できません。
まあ私の反射神経の限界だということなのかもしれませんが、このような敵が相手の場合は、化勁出来るかどうかが運ゲーになってしまいがちです。
ではどうしてこのようになってしまったのかというと、「プレイヤーが使える武技を敵が秘技として使ってくる」からなのでは思います。
プレイヤーが使う武技(攻撃スキルのようなもの)には、発生は早いが威力は低めなもの、発生は遅いが威力は高めなものなどがあります。(例外もありますが)
この「発生は早いが威力が低めな武技」を敵がのけぞり無しの秘技として使ってくるせいで、プレイヤーが到底反応できないような状況が発生してしまうのではないかと思いました。
ちなみに、「武技そのままだと出が早すぎるので少しディレイを入れた秘技」もちゃんと存在します。
全ての秘技がそういった調整をされていれば良かったのですが、そうでないのは少々残念です。
また、秘技を化勁した後にさらに連続で秘技を放ってくる敵もいますが、これもやってきたりやってこなかったりで、気持ちよく反撃できないこともあります。
秘技の種類によって派生するかどうか分かるようにする等の工夫が欲しかったです。
エンドコンテンツと相性が悪い士気システム
本作の目玉であろうシステムとして、士気システムが挙げられます。
全ての敵には0〜20(一周目の場合)の士気が設定されており、彼我の士気差によって与ダメージや被ダメージに補正がかかります。
ステージ内の敵は、先に進むにつれ士気が上がっていきますが、こちらも敵を敵を倒したり、ステージにある旗を立てたりすることで士気が上がっていきます。
ステージを駆け抜けていくと士気がなかなか上がらず苦戦することになりますが、しっかりと探索して旗を立てていくことで程よい難易度になります。
また、道が分岐しているときは、士気が低い敵がいる方から攻略していくのが正規ルートだと分かるので、ステージの導線としての役割も果たしています。
上記のことから私は、士気システムは駆け抜け防止かつステージの導線として実装されたのだと思いました。
しかし個人的な意見としては、これは単に攻略の幅を狭めているだけなように感じています。
士気差によるダメージ増減の影響も大きすぎてバランスが悪いので、正直士気システムはいらなかったのかなと思います。
ただ、ステージ攻略での士気システムに関しては、面倒さはあれど、そこまで悪さをしているわけではないとも思っています。問題はエンドコンテンツの「魔境千里行」における士気バランスです。
DLCを導入すると遊べる「魔境千里行」は、ランダムに生成されるステージを連続でクリアしていく、本作におけるエンドコンテンツです。
10里(1ステージが1里)ごとにチェックポイントとなる「野営地」があり、野営地に着くたびに士気がリセットされるので、基本的には10里をワンセットとしてひたすら進んでいく形になります。
この魔境千里行の士気バランスが非常に悪いです。
士気がリセットされてすぐの1里目や2里目では、こちらの士気は敵よりも5以上低いので、なかなかに苦戦を強いられます。
しかしこちらの士気は敵を倒すごとにどんどん上がっていき、10里目では敵よりも10以上高かったりします。
よって、1〜2里はキツ過ぎ、3〜5里あたりはちょうど良く、6里あたりからはヌルゲーという謎バランスになってしまっています。
できればちょうどいいバランスでずっと戦いたいところですが、士気の調整がうまく行っておらず、ちぐはぐな難易度になっています。
一応、プレイヤーの士気の上限を任意で制限することはできますが、序盤の辛さ問題は解決しません。
そもそも駆け抜け防止かつステージの導線であった(であろう)士気システムを、難易度調整システムとしてエンドコンテンツに取り入れたのが良くなかったのではないかと思います。
まとめ
ジャストガードやジャスト回避が好きな私にとって、化勁メインの本作は非常に好みでした。
悪い点や改善してほしい点も色々書きましたが、愛あってこそです。
サクサク動かせてスピード感のあるアクションが好きな方にはおすすめです。
ただし、スピード感ゆえに、反射神経を求められる場面も多少はあります。
重厚感のあるゆったりとしたアクションが好きな方には向かないかもしれません。
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