「WILD HEARTS(ワイルドハーツ)」のレビュー記事です。
プレイしたのはPS5版です。
筆者は本編クリア済み。トロフィーコンプリート済み。プレイ時間は130時間程度。
今回は狩りゲーのレビューということですが、筆者の狩りゲープレイ歴は以下です。参考までに。
- モンスターハンター:3rd, 3G, 4, 4G, X, XX, ワールド(アイスボーン), ライズ(サンブレイク)
- 討鬼伝2
- ゴッドイーター3
ちなみに、具体的なレビューの前に、筆者の完全な主観で好きな順に並べると、以下になります。
(ワイルドハーツ, MH:SB) > (MH:Rise, MH:IB, 討鬼伝2) > (MH:W) > (MH:XX) > (GE3)
筆者はサクサク動けることと敵に張り付いてひたすら殴り続けることが好きなのですが、そういった方には本作はおすすめできると思います。
製品情報
タイトル | WILD HEARTS |
発売日 | 2023年2月17日 |
対応機種 | PlayStation5, Xbox Series X|S, PC(Origin, EA App, Steam, Epic Games Store) |
ジャンル | アクション, アドベンチャー |
プレイ人数 | 1人(オフラインプレイ), 1~3人(オンラインマルチプレイ) |
CERO | C(15歳以上対象) |
公式サイトはこちら。
本作の特徴
本作はエレクトロニック・アーツ(EA)とコーエーテクモゲームスのタッグが贈る、中世日本をモチーフとしたハンティングアクションゲーム。プレイヤーは「獣狩(ししがり)」となり、武器や「からくり」を使いながら、各地に蔓延る「獣」を狩猟します。
開発チームは「無双」シリーズや「討鬼伝」で知られるコーエーテクモゲームスの「ω-Force」で、EAは主にパブリッシャーとのことです。
前述した「からくり」が本作最大の特徴です。からくりは狩りに直接用いるだけではなく、狩場構築にも用います。詳細は後述。
また、オンラインマルチプレイにも対応しており、最大3人まで一緒にプレイできます。他のプラットフォームとのクロスプレイも可能です。
良かったところ
「からくり」を用いた戦闘
本作では、武器とからくりの両方を用いて狩りを行います。
からくりは「からくりの糸」を消費して設置します。からくりの糸は敵を攻撃すると増える他、フィールドから採取もできます。
からくり「匣」を使ったジャンプ攻撃や、からくり「火」による火をまとった攻撃など、各種からくりを使ったアクションにより、プレイに幅が生まれます。
また、複数のからくりを連結することによって、強力な「連結からくり」を使うことが出来ます。
しかし、筆者が個人的に最も好きな要素は、「からくりキャンセル」というテクニックです。
「からくりキャンセル」は公式用語ではなく、作中での説明もありません。しかし、武器種によっては半ば必須テクニックかと思います。
攻撃モーション中にからくりを設置しようとすると、動作を瞬時に中断しバックステップしながらからくりを設置します。これがからくりキャンセルです。
地上にさえいれば、ほぼ全ての動作をからくりキャンセルすることが可能です。
そして、このテクニックの最も重要なポイントとして、からくりキャンセルによるバックステップ中は非常に長い無敵時間が発生します。
このテクニックを駆使することで、
敵が攻撃してくる直前まで殴り続ける→被弾直前でからくりキャンセル
とひたすら張り付いて攻撃することができます。
筆者は敵の攻撃をいなしながらひたすら攻撃するのが好きなので、この点は非常に評価しています。
「からくり」を用いた狩場構築
からくりには二種類あります。
一つ目は、主に戦闘に使う「基礎からくり」。からくりの糸を消費して設置します。上述したのはこちらです。
二つ目は、狩場構築等に使う「龍脈からくり」です。龍脈からくりは龍脈ポイントを消費して設置します。
龍脈ポイントは、狩場にある「龍脈」を強化することで得られます。
龍脈からくりは、ファストトラベルポイントを設置する「獣狩の幕屋」やジップラインを張る「飛蔓」など、さまざまなものが揃っています。
これらを使って狩場を思い通りにカスタマイズしていくのですが、これが非常に奥が深い。
主な狩場にどうアクセスするかなどで、幕屋や飛蔓の置き方が変わってきますが、何を重視するかによって非常に個人差が出てきます。「狩場構築で一日終わった」という人すらちらほら。
オンラインマルチプレイではホストのマップで狩りをすることになりますが、ホストの狩場を参考にするのもとても面白いです。
武器バランスがそれなりに良い
武器は8種類。多少の強弱こそありますが、飛びぬけて強い武器や明らかな底辺武器はないのかなと思いました。
どの武器を使っても違った面白さを感じられ、戦闘が非常に楽しいです。
以下は筆者によるプレイ動画です。プレイ感の参考になれば。
ちなみに、これらの動画は「試練」と呼ばれるクエストで、用意された固定の装備で獣と戦います。
試練にはタイムアタック要素があり、焦りからか被弾多めです。ゴリ押し気味のグダグダプレイですがご了承ください。
また、後半に登場する獣も出てくるため、その点はご注意ください。
攻撃を当てることで徐々に「解放ゲージ」が溜まっていく。最大まで溜めたゲージを解放することで、一定時間刀身が蛇腹剣のようになり攻撃力がアップ。
さらに、三段まで積み上げた「匣」からのジャンプ攻撃も強力。
R2ボタン長押しで「居合構え」となる。
居合構え中はスタミナが少しずつ減っていくが、構え中に攻撃を当てることで「鋭気ゲージ」が増加。R2ボタンを離すことで、溜まったゲージを消費して強力な一撃を放つ。
ゲージ最大時の「居合・両断」は動作こそ遅いものの、威力は非常に高い。
敵に突き刺さる「甲矢」と、刺さった甲矢を爆発させる「乙矢」の二種類の矢で戦う。
弓を強化することもでき、強化状態からの「斉射・甲矢」で大量の甲矢を突き刺し、その後一気に起爆することで大ダメージが期待できる。
「展開」させることで柄が伸びるハンマー。
攻撃後の武器が光るタイミングでR2ボタンを押すと柄が展開する。
最大展開時のコンボの締めは強力な打ち下ろしとなる。これをどれだけ当てられるかがカギ。
攻撃を当てることで「連舞ゲージ」が溜まっていき、攻撃が強化される。
また、R2ボタンで「受け流し」が出せる。成功させることで敵の攻撃を無効化でき、連舞ゲージも大きく溜まる。
ほぼすべてのモーションをキャンセルして受け流しを出すことができるが、スタミナを一定量消費するので注意。
攻撃することで「熱化ゲージ」が溜まっていく。
熱化ゲージが一定以上の時の「拠点砲撃」を敵に当てることで、赤いエフェクトを帯びた拠点が地面に設置される。
この拠点からエネルギーを吸収することで、強化砲撃(ビーム)を撃つことができる。
強化砲撃は非常に高い火力を持つが、砲撃中は足が止まるので、隙を見極めて撃ちたい。
「爪蔓」を敵に刺すことで、「連結状態」へと移行する。
連結中に多くの攻撃をヒットさせることで「連結強化状態」となり、攻撃力が上昇する。
さらに、強化状態では「飛燕・三日月斬り」に強力なフィニッシュ攻撃が追加される。
R2ボタンで形態を変形することができる。
攻撃後の体が光るタイミングでR2ボタンを押すことで、変形しながら攻撃が出せる。これを当てることで「変形レベル」が上昇する。
これを消費して放つ「巨劔攻撃」は絶大な威力を誇る。
惜しかったところ
序盤はからくりを使いづらい
からくりを使うためのリソースであるからくりの糸や龍脈ポイントですが、序盤は上限が少なく、進めるに連れて上限を増やすことが出来るようになってきます。また、連結からくりも進行によって使えるものが増えていきます。
なので、序盤はからくり設置数が少なくなりがちです。
からくりは本作の醍醐味です。逆にからくりを縛ると非常に厳しい場面が多いです。
からくりが使いにくい序盤では本作の面白さは感じにくいかもしれません。
この序盤を乗り越えられずに投げてしまう人もいるそうですので、そこは非常に勿体ないと思います。
作る価値のある装備が少ない
まず武器について。
しっかりと弱点を突けば属性武器の方が若干強いのですが、武器一本を作るのに結構な手間がかかるため、無属性武器一本になりがちかなと思います。属性ダメージを強化する手段も少ないです。
また、防具に関しても、有用なものが少ないように感じます。よく使う強い防具をいつも着ているような感じで、色々な防具を作る意味があまりないかなと思いました。
UIやHUDがイマイチ
ある程度は慣れますが、スタミナゲージが小さくて見にくいです。モンスターハンターシリーズは体力の下にデカデカとあるので見やすいですが、そんな感じで良かったのかなと。
また、防具を変更する際、その部位で持っている防具全てから選択することになるので、探し辛いと感じました。
装備マイセットを登録して、そこから装備変更もできますが、ボタン操作数が多く、操作感も少しもっさりしています。毎度の装備変更が少々ストレスでした。
まとめ
EA×コエテクの新作狩りゲーですが、新規IPとしてはとても高い完成度だと思います。
リリース当初こそ不満点はいろいろとありましたが、アップデートでだいぶ改善されています。
総じて、独自システム「からくり」が非常に功を奏しているように思います。
武器とからくりの両方を用いた戦闘には新鮮な面白さがあり、獣の激しい攻撃をからくりでいなすのはとても気持ちがいいです。
逆に、からくりを使いづらい序盤は少々面白みを感じにくく、辛い場面が多くなると思います。
ここをもう少し緩和すれば、より多くの人に面白さを伝えられたのではないかと思うので、その点は一プレイヤーとして単純に残念だなと思います。
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